おさるはおさる
「pさるはおさる」 | いとう ひろし 作・絵 - 講談社 |
違いは、気にすれば大きく、気にしなければ、小さいこと
○おはなし
ぼくは、おさるです。
おさるは、お日さまと一緒に起きて、おしっこをします。ご飯を食べて、毛づくろいをしたり、カエル投げをしたりして、夜になったら眠ります。
みんなおんなじ。同じさるです。どれが本当のぼくか、分からないほど、みんなおんなじおさるです。
ある日、強情なかにが、ぼくの耳を挟んで離れなくなりました。カニを耳につけたおさるは、ぼく一人。
自分だけが違う。みんなと違う。
他のみんなにも、かにに耳を挟ませようとしましたが、うまくいきません。
やっぱりぼく一人。ぼく一人だけが違う。
海を眺めていると、おじいちゃんがごはんを抱えてやってきました。ご飯を食べながらおじいちゃんは、自分が子供のころ、強情なたこが、しっぽを吸いついてしまった話してくれました。
ぼくとおんなじ。
おじいちゃんのおじいちゃんは、子供のころ、強情なへびが頭に巻きついたそうです。
ぼくとおんなじ。かにみみざる、たこしっぽざる、へびあたまざる。いろんな困ったこともあるけれど、それでもみんな、この南の島で、のんびり、毎日暮らしてきたんだね。
その日の夕方、おじいちゃんに、しっぽのたこはどうなったのか尋ねると、「わすれちゃった」そう。
ぼくの耳を挟んでいた強情なかにがいなくなったのも、かにのことを忘れた頃でした。
ちゃいます ちゃいます
「ちゃいます ちゃいます」 | 内田 麟太郎 ・作 大橋 重信 ・絵 - 教育画劇 |
この絵本の読み聞かせは、父親の出番です
○おはなし
たあくんが、電話に出ると、相手は、
「わたしは だれでしょう?」と言います。
とうちゃんだとすぐにわかったのですが、たあくんはとぼけました。
「にわとりさんでっか?」
「こけこっこー」電話から鶏の鳴き声が聞こえました。
とうちゃん: 「ちゃいます。」
たあくん: 「クロなの?」
とうちゃん: 「くーん、くーん」
誰だって言わないから、たあくんのおとぼけは続きます。
たあくん: 「サボテンさんでっか?」
とうちゃん: 「・・・・ちく、ちく、ちく」
たあくん: 「カブトムシさんでっか?」
とうちゃん: 「ぶーん、ぶーん」
たあくん: 「ミーなの?」
とうちゃん: 「みゃー、みゃー」
たあくんも、とうちゃんをまねて答えます。
「こけこっこー」「くーん、くーん」「ちく、ちく、ちく」「ぶーん、ぶーん」「みゃー、みゃー」。
とうとう、とうちゃんは間違い電話だと言い出しました。そして、たあくんも電話を切ろうとしたその時、怪獣のおもちゃを買って家の前にいることを告げられました。
たあくんが玄関を開けると、父ちゃんは「コケコッコー」と鳴きました。「おとうちゃん、おかえりなさーい」
もりのかくれんぼう
「もりのかくれんぼう」 | 作:末吉 暁子 絵:林 明子 出版社:偕成社 |
秋色の不思議な男の子
○おはなし
お兄ちゃんとかくれんぼができなかった、公園からの帰り道。すねながらお兄ちゃんの後を歩くけいこに、「競争しよう」と言うと、駆け出したお兄ちゃん。慌てて後を追いかけたけいこは、生垣の根元に、お兄ちゃんの足がちょろっと引っ込むのを、見つけました。
同じように、生垣の下にもぐりこんだ、けいこの目の前に、お兄ちゃんの姿はなく、そこは見たこともない森。金色の秋の森の中に、細い道が続いています。けいこは、静かな森の中を、大声で歌いながら進んで行きました。
ちかみち ほそみち もりのみち
こわいかな、こわくない
どこまで いっても もりのなか
だあれも いない もりのみち
こわいかな、こわくない
すると、その歌に答えるような歌声が、後ろからしました。
お兄ちゃんだと思い、振り返ったけいこが、きょろきょろ声の言うままに探してみると、そこには、枝や木の葉と同じ色の男の子が立っていました。
男の子の名前は、「もりの かくれんぼう」。森の仲間たちとのかくれんぼに誘われて、けいこは大喜びです。「かくれんぼう」の誘い声にやってきた、森中の動物たちとのかくれんぼが始まりました。
最初の鬼は、けいこ。かくれんぼが得意なけいこは、張り切って探します。ところが、「もりのかくれんぼう」は、隠れ上手。おもわず笑ってしまった「かくれんぼう」の声で、ようやく見つけることが出来ました。
次は、くまさんが鬼。けいこは、「かくれんぼう」に手をひかれ、茂みの中に隠れました。静かに、息をひそめて、じっとして・・・。
いつまでも・・・。
どのくらい経ったのか、どこからか、けいこを探す変な歌が聞こえてきました。見上げると、そこにはお兄ちゃんが立っていました。
目の前には、けいこの団地がひろがっています。けいこがしっかり握っていたのは、ただの木の枝です。
けいこの団地がある場所は、以前、森だったと、お兄ちゃんが教えてくれました。森の動物たちはどこへ行ったのでしょうか?そして、「かくれんぼう」は?
きっと、どこかの森でかくれているでしょう。
そして、けいこは、きっとまた出会える気がしていました。
さつまのおいも
「さつまのおいも」 | 中川 ひろたか ・文 村上 康成 ・絵 - 童心社 |
サツマイモの生活ぶりが楽しい
○おはなし
おいもはつちのなかでくらしています
さつまのおいもたちの暮らしは、私たちと同じです。
ご飯も食べれは、歯も磨く。
トイレにも行くし、おふろにも入る。
そして、「トレーニング」。体操、腕立て伏せ、鉄アレーで腕を鍛え、水泳、ジョギング。
寝る時は、みんな一緒です。
そんなおいも畑にやってきたこどもたち。おいもたちvsこどもたちの
綱引きが始まりました。
うんしょ どこしょ うんしょ どこしょ
勝ったのは、こどもたち。
負けたのは、おいもたち。
豊作豊作。豊年万作。
たき火で焼き芋。おいしく食べたら、出てきたのは…。
プーッって、みんな、おならが出てきた。くさいくさい。
最後に勝ったのは さつまのおいも。はっはっはっ。