おさるはおさる
| 「pさるはおさる」 | いとう ひろし 作・絵 − 講談社 |
違いは、気にすれば大きく、気にしなければ、小さいこと

○おはなし
ぼくは、おさるです。
おさるは、お日さまと一緒に起きて、おしっこをします。ご飯を食べて、毛づくろいをしたり、カエル投げをしたりして、夜になったら眠ります。
みんなおんなじ。同じさるです。どれが本当のぼくか、分からないほど、みんなおんなじおさるです。
ある日、強情なかにが、ぼくの耳を挟んで離れなくなりました。カニを耳につけたおさるは、ぼく一人。
自分だけが違う。みんなと違う。
他のみんなにも、かにに耳を挟ませようとしましたが、うまくいきません。
やっぱりぼく一人。ぼく一人だけが違う。
海を眺めていると、おじいちゃんがごはんを抱えてやってきました。ご飯を食べながらおじいちゃんは、自分が子供のころ、強情なたこが、しっぽを吸いついてしまった話してくれました。
ぼくとおんなじ。
おじいちゃんのおじいちゃんは、子供のころ、強情なへびが頭に巻きついたそうです。
ぼくとおんなじ。かにみみざる、たこしっぽざる、へびあたまざる。いろんな困ったこともあるけれど、それでもみんな、この南の島で、のんびり、毎日暮らしてきたんだね。
その日の夕方、おじいちゃんに、しっぽのたこはどうなったのか尋ねると、「わすれちゃった」そう。
ぼくの耳を挟んでいた強情なかにがいなくなったのも、かにのことを忘れた頃でした。
○KABA
絵本ナビで、幼年童話特集をしています。絵本から、児童書へ移る前段階としての読み物として、幼年童話をあげていました。幼年童話の基準として、
と書いてありました。・絵が多くて入り込みやすい。
・字が大きくて読みやすい。
・お話が少々長くても大人が読んであげることで楽しめる。
・A5サイズくらいのあくまでも「本・読み物」という形を取っている。
長男クンは、絵本はもちろん、児童書も手に取るようになりました。そして、それに刺激を受けて、同じように次男クンも読みたがるようになっています。そんな二人に、幼年童話はちょうどいい、そう思い、おススメ本として上がっていたこの本を手にとりました。
驚いたのは、手に取った本は、ほかの児童書と同じサイズ(A5サイズ)・厚さですが、文章はごく短く簡潔でながくて4行程度。どんどんページをめくっていけます。でも、この本。どんどんページをめくっていきたくない本でした。ほら。ストーリーの先が気になって、斜め読み加減で、どんどん読み進めちゃう事ってあるでしょ?この本はその反対。ゆったりのんびり、一文一文1ページ1ページを、眺めていたい。そんな本でした。
固有名のない「ぼく」。区別は特に必要ありません。みんな同じ。でも、「ぼく」はみんなと違ってしまったことに悩みます。そこへやってきたおじいちゃん。
悩んで過ごしても、楽しく過ごしても、のんびりゆったり時間の流れは同じ。おひさまが上れば、目を覚まし、まずおしっこをして、ご飯を食べる。
そんなことに気付き、悩みを忘れていたら、悩みの原因が消えていた!
気にすれば、大きな悩み。忘れれば、悩みが消える。
悩んで過ごしても、楽しく過ごしても、のんびりゆったり、時は流れているんですね。
むすこクンたちは、のんびりゆったり、この本を見ました。読み終わった後、「あー、おもしろいねー」と、のんびりした声を出していました。このシリーズ本が、学校図書館にあるのをチェックしているという息子クン。「借りてくる」と張り切っています。さて。また、のんびりゆったりとした時間が楽しめそうです。
| *リンクな絵本やグッズたち* この絵本に関連するものや、タイトルをキーワードに他の絵本を紹介します。 |
*「おさる」の本たち*
○この「おさる」シリーズは、講談社の創作絵本から、絵本も5冊出ています。まずは、こちらからお話を楽しむのもいいですね。
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