ごきげんなすてご
| 「ごきげんなすてご」 | いとう ひろし 作・絵 − 徳間書店 |
すてご!でもご機嫌♪

○おはなし
3か月前。弟が生まれた。お母さんはお猿みたいな弟ばかりかわいがる。あたしのことはほったらかし。
いいわ。それなら、あたしは捨て子になる。りっぱな捨て子になるんだ。
段ボール箱にきれいな字で、「かわいいすてご」と書いたら。さあ、後は拾われるのを待つだけ。
きっと。
プールのある大きなお家。
両親はあたしだけをかわいがってくれる。
召使いにお抱え運転手。パーティは毎日開いて…。おさるの弟はいないの。
そんなところに拾われて行くわ。
ふーん。あれ?うーん。
大丈夫大丈夫、気長に待つの。
宣伝した方がいいかな?
うーん。笛吹いてたりするより、このままがかわいそうな捨て子って感じでいいわね。
犬が。猫が。そしてカメが。一緒に捨て子になりました。
カメが。猫が。そして犬が。もらわれたり、元の飼い主と家へ帰ったりしました。
絶対あきらめないぞ。すてきな家にもらわれるんだ。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥…。
目の前に、お父さんとお母さん、おさるの弟が立っている。おさるの弟のお姉さんになってくれる子を探してるんだって。
あたしは、すてごをやめて、おさるのおねえさんになってあげた。
○KABA
このお話。ずいぶん前にシリーズで教育テレビ「テレビ絵本」でやっていました。ですので、このお話も、そしてこの後のシリーズのお話も息子クンたちは知っているのですが。息をひそめて、聞いていました。
長男クンも、次男クンも。それぞれお兄ちゃんという立場ですから、この「あたし」の気持ちがわかるところが随分とあるのでしょう。
「三男クンも、おさるみたいやったね」と言うと、間髪入れずに「うちの三男クンは、おさるじゃなかった。かわいかった。」と答える次男クンです。このあたり、この本のこの後のシリーズに出てくる「あたし」の気持ちとも一緒です。
かわいい弟。でも。母親の愛情を注がれている弟。お兄ちゃんの気持ちは複雑です。
出産で入院中、お見舞いに来てくれた二人のお兄ちゃんは、帰り際ママも一緒に帰ろうと涙していました。
退院後、夜、寝る位置にもめにもめました。特等席は三男クン。私のお腹を直に触らないと眠れないのに、背中を向けられている次男クン。弟ができる度に、母親の顔を見ながら寝ることから遠ざけられる長男クン。
斉藤隆介の「花さき山」
<双子の兄は、弟が先におっぱいを飲むのをじっと我慢した。その時に兄の涙が露となってついた青い花が咲いた。>
あのお話が頭に浮かぶ毎日でした。
自分の領域に、踏み込んで来られているんですから、どんな形にせよ、子供は葛藤しているんでしょうね。思いっきりいい子ちゃんになったり、赤ちゃんがえりをしたり、そして、「あたし」のように、捨て子になってみる子もいる。表現方法は違ってても、いずれも思いは同じ。
「私を見て。私を大事にしてほしい」。「さみしい」。
精一杯叫んでいるんでしょうね。
そう思うと、この「あたし」。突拍子もないことをしているように思いますが、わかりやすい素直な表現方法をしていて、親としては、かかわりやすいですよね。
私自身、1歳半離れた弟がいますが、弟が生まれた当時の私は実によくできたお姉ちゃんだったそうです。これがいけなかった。素直に「さみしい」って言えない子になっちゃった。いい子にしてなきゃ、振り向いてもらえない。そう考える子だったんでしょう。今でも覚えてるんですけど、母親を真ん中に挟んで3人で寝る際に、弟が母親を独占したくって、私と母親が手をつなぐことすら許してくれなかったんですよねー。弟が大声で泣いて、母親に抱きついたんです。いつもいい子のお姉ちゃんだから、大丈夫だと母親も踏んだのか、つないでいた手を離し、弟を抱きしめて寝ていました。その母親の背中を眺めながら寝るのが悲しくって、壁を向いて寝ていました。
「さみしい」そう言えない、いい子ちゃんが、成長した暁は、扱いにくい子に変身するんだわ、なーんて、自分を振り返って思ってます。
三男クンが1歳半になった今。私にひっついて寝たがるのは、三男クンだけになりました。ですが、時々、もう寝ているお兄ちゃんたちの手を握り締めたり、頭をなでながら、「だーいすきよ」なんて言いながら隣で寝たりします。するとね。寝ているはずのお兄ちゃん達。恥ずかしそうに口元を緩ませ、薄眼を開けて、「わかってる」て言ってくれることがあるんです。
何かの本に、どの子にも
「内緒だけど、あなたが一番好きよ」て言いましょう。って書いてありました。この「一番」が子供心をくすぐるポイントだそうです。
今度はこの言葉を言ってみようかな。
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コメント
なずなさんへ
KABAさん、こんばんは。
ウチには、9歳と4歳の2人の息子がいます。
長男が5歳の時に下がうまれたわけですが、年子や2歳違いで
下が生まれるような「嵐のような」ジェラシーはなかったです。
でも、爪をかむくせが、なかなか直らなくって…。
ある人に、「5年間ひとりっこだった、ってことだから、上の子のフォロー忘れちゃだめよ」ってアドバイスされました。
「表現方法は違ってても、いずれも思いは同じ。 」
…そのとおりですよね〜。
「恥ずかしそうに口元を緩ませ、薄眼を開けて、「わかってる」て言ってくれることがあるんです。 」
…情景が浮かんできて、ジーンとしました。
KABAさんの文章読んで、なんだか今日は、
やさしいお母さんになれそう。
急にやさしくなって気持ち悪がられてしまうかなぁ(笑)
ウチには、9歳と4歳の2人の息子がいます。
長男が5歳の時に下がうまれたわけですが、年子や2歳違いで
下が生まれるような「嵐のような」ジェラシーはなかったです。
でも、爪をかむくせが、なかなか直らなくって…。
ある人に、「5年間ひとりっこだった、ってことだから、上の子のフォロー忘れちゃだめよ」ってアドバイスされました。
「表現方法は違ってても、いずれも思いは同じ。 」
…そのとおりですよね〜。
「恥ずかしそうに口元を緩ませ、薄眼を開けて、「わかってる」て言ってくれることがあるんです。 」
…情景が浮かんできて、ジーンとしました。
KABAさんの文章読んで、なんだか今日は、
やさしいお母さんになれそう。
急にやさしくなって気持ち悪がられてしまうかなぁ(笑)
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現役保育士で3兄妹の母親である幼なじみが、研修で「子供を叱ってはだめ。『愛してる』『信じてる』を毎日言おう」て言われた。て話してくれました。
そうして、二人でため息。
子育ては日々勉強。修業の毎日だねー。
まずは、できることからやってみよう。愛すべき子供たちなのは、確かですしね。