はじめてふったゆき
| 「はじめてふったゆき」 | 田島 征彦・ 竹内 智恵子 作・絵 − ブッキング |
ずっこ ずっこと、雪ん子雪を降らす

○おはなし
ざっと昔、会津の国に雪が降らなかった頃の話。
磐梯山に てながあしざるという悪さばかりする、人泣かせの化け物の大猿がおった。
南の山に住む だいだんぼうという大男が、自分とどっちが強いかと、磐梯山にやってこようとした。只見川をひとまたぎして、すぐ横の山に片足をかけた。その時、てながあしなががそちらへひと風送ったら、だいだんぼうのふぐりが揺さぶれて、山が崩れだした。慌てて だいだんぼうは逃げかえった。
相変わらずいたずらばかりの てながあしなが。
そこへ、一人の坊さまが来て、てながあしながに尋ねた。
「なぜ悪さをする?」
「一人がさみしい。小さくなってみんなと遊びたい」
それを聞いた坊さま、杖を振り上げ、てながあしながを小猿の大きさにした。そして、山のふもとの六地蔵の横に、てながあしながの地蔵さんを作った。
てながあしながは、六地蔵のじぞっこわらしと遊んだり、村の子供をニコニコ眺めたりした。
さて。村に侍がやってきた。侍はいばり、村の者を泣かしていた。明日は侍の村の見回りがある。そうして道に牛馬の糞が落ちていたら、大ごとになる。どうしたらいいかと、村のものは相談していた。
それを聞いた坊さん、じぞっこわらしとてながあしながわらしを天竺に使いにやった。
そして次の朝。村へ侍がやってきた。その時、高い空で7人のわらしが踊り始めると、雪が降り、山も田んぼも道も真っ白にしてしまった。
侍には、わらくず一つも見つけられない。
辺り一面真っ白。
田も畑もうずもれた。
侍も見えなくなった。
それから毎年会津の国は、たくさんの雪が降るようになった。
○KABA
ブッキングからの出版。ということは、復刊本なんですね。うれしいデス。こうしてこの絵本に出会えたのは、復刊してもらえたからこそ。この絵本との出会いに感謝。
とても味わいの深いお話で再話かと思いましたが、田島征彦さん竹内智恵子さんお二人の共作だそうです。雪深い中で、暖かい火にあたりながら作られたのかなーなんて、勝手に楽しくなる想像を膨らませてしまいます。昔話が、囲炉裏のそばで、年寄りの手によって子どもたちに語られたように、そんなふうに作られたのではないかと思うお話です。
ずっこ ずっこと、辺り一面覆う雪景色。田島征彦さんのこの雪景色が、なんとも言えず味わい深くて好きです。雪をかぶったモノって、まあるく見えますよねー。この丸みが、その雪深さも伝えてくれます。
中表紙は、また違った面持ちのお坊さんと大きな手が印象的です。
KABA家では、夫クンがスキーが好きなので冬になると積雪情報が気になります。暖冬といわれる年が続いていますが、長男クンは昨年スキーデビューをし、今年も楽しみにしているようです。
ずっこ ずっこと、そりゃーたーくさん降り積もれ。
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